アマチュア無線用コモンモードフィルタの特性評価
スペアナがあったらやってみたかったことの1つとしてコモンモードフィルタ(RFチョーク)の評価というのがあります。だいたいトロイダルコアを使って作っており、トロイダルコアは再現性が高いので計算通りにやれば実用性能はでるはずなのですが、ちゃんと作れているか?はやはりはかってみなければわかりません。
スペアナがなくてもハムバンドでダミーロードを使いつつ高周波電流を頑張って測るという方法で一応検証はできるのですが、面倒くさすぎるので結局グラフ化したりまでしたことはありません。面倒くささが勝りすぎます。
その点スペアナがあれば一瞬で…… という気持ちがありました (実際は適切な治具がないと正確に測るのはやはり難しいのですが……)
概要
大地経由での電流がコモンモード電流なので、フィルタのホットとコールドをショートして、TG のホットをフィルタを通してスペアナの入力にし、TG とスペアナのコールド側をショートさせれば計れそうです。要は単にRFチョークとして測定します。
なおコモンモードフィルタはだいたい-30dB ぐらいあれば十分な性能といえるらしいです。
測定方法
まずワニグチクリップをトラッキングジェネレータとスペアナ入力に直付けし、ホットコールドをそれぞれショートさせます。
この状態でTGの出力レベルを0dBmに設定し、ノーマライズします。(なおビビリなので外付けのアッテネータは入れてませんが内蔵アッテネータは10dB入れたままです) それなりに出力がないとノイズに測定結果が隠れてしまうので気をつけます。
ノーマライズされた状態でホット側をはずしてアイソレーションを確認します。-30dB 以上なければ測定の意味がないので、アイソレーションがとれてなさそうなら諦めてスパンを狭くして再度ノーマライズからやりなおします (意味がない結果が見えていると混乱するため)。
TG 側にワニグチクリップをつけたりして配線長を増やすと50MHz〜は容易にアイソレーションがとれなくなるので注意します。以下はオープンの状態のアイソレーションです。
この状態でフィルタに接続して測ります。フィルタの入力側(TG側)の線長が長いとこれまたアイソレーションがとれないので誤差の原因になりますが、排除するのが難しいです。シールドケースに入れて測るしかない気がしますが、今回は用意できてないので多少飛びこみがあります。
結果
今回計ったのはキットものの http://www.ddd-daishin.sakura.ne.jp/ddd/dcf/dcf-rf-29l3/kit-dcf-rf-29l3-ver2.htm これです。スペック的には 50MHz ぐらいまでは -30dB 余裕でとれるみたいなグラフがあります。
一応このように雑に測った感じでも 50MHz ぐらいまでは -30dB ぐらいになっているように見えます。(0〜100MHzのスパンなので真ん中が50MHzです)。とはいえ -40dB までとれている範囲はそれほどないです。
挿入損失
ついでに挿入損失も測りました。
メモ:挿入インピーダンスとdB
入出力インピーダンス50Ωとして、例えばインピーダンスZを直列挿入した場合、入力側にかかる電圧は出力電圧を、挿入インピーダンス
なので、入力電圧は
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