DSA815-TG の 10MHz 付近の奇妙なバグとファームウェアアップグレード
測定中、10MHz 付近に急激な落ちこみが観測されることがあって気になっていました。そういうものなのかなとも思ったのですが、調べてみたら同じような問題にあたっている人がいて、まぁよく考えたらそういうものではないよなという感じです。
これは簡単に再現することができます。TGとSAを同軸で直結させて、TGを有効にし、10MHz 付近を拡大することで、変な落ちこみを見ることができます。
以下の画像がそうですが、明かに1dB 落ちこみがあるのがわかると思います。
あるいは、掲示板中にもありますが 10μH と 33pF ぐらいを直列に接続し、バンドパスフィルタを構成した上で 10MHz 付近を見ると、スカートが不自然になっているので非常に目立ちます。 冒頭の画像はこの方法での再現です。直結よりもわかりやすくおかしいことがわかります。
広いスパンで見ているときや、広いダイナミックレンジで見ているときには気付きにくいかもしれませんが、フィルタのようなものを測定するときはかなり気になる挙動だと思います。
10MHz 付近はアマチュア無線でも使う帯域ですし、基準信号付近ですから余計気になります。位相雑音がどうとかよりも致命的な問題でしょう。
現時点での解決方法
ファームウェアの 1.15 が1月22日にリリースされており、これにある程度の修正が含まれています。
最新のファームウェアは http://int.rigol.com/Support/SoftDownload/3 からダウンロードできます。
Product Series → Spectrum Analyzer → DSA815 Firmware_00.01.15.01.00 というのをダウンロードします。DSA815(DSP)update.rar というやつです。
DSA815update.sys を USB メモリのルートディレクトリにコピーして、DSA815 のフロントUSBポートに接続し、Storage の画面でこのファイルを選択したあと、Sys Update を選択すると、アップデートが開始されます。数分で終わり、再起動すると最新のファームウェアで起動します。
↑ 使ったUSBメモリです。自宅にUSBメモリがなく、SDカードリーダーとSDカードで代用しようと思いましたが、DSA815 では認識されませんでした。純粋な USB メモリじゃないとダメなようです。ググってみると、メーカー的にはできるだけ容量が少ないほうが信頼性が高いということになっているみたいです。とはいえ現時点で新品はもはら8GB未満は売ってません。これは USB 3.0 メモリですが、DSA815 は USB 3.0 に対応してないので、古くてもなんでもいいはずです (信頼性は別として)。
解決したか?
見ての通りです。直結の場合では不連続部分はわかりません。一方バンドパスフィルタで見たときはすこし不連続な部分が残っているようにみえます。
ということで、完全には解決しません。挙動的にはまるめ誤差みたいなのが発生しているような感じますが実装がどうなっているかはわかりません。
とはいえ、このように修正が入るので、現状の状態は Rigol のエンジニアは把握しており、直すつもりはあるようです。ファームウェアアップデートだけですめばいいんですが……
ファームウェアアップデートと保証
DSA815-TG には3年保証がついているのですが、ファームウェアアップデート時にどのような扱いになるか不安になりました。(そもそも国内販売版のものが国際版と完全に同一であるかの確証もない)
国内のリゴルジャパンへメールで確認をとったところ、すぐに返信していただけました。
- 国内販売のものでもファームウェアは共通
- ファームウェアアップグレードしても保証期間内では無償サポート
とのことで、アップグレードしても大丈夫そうです。
1.15 での他に気になった挙動
購入直後スクリーンショットをLAN経由でとれるようにしましたが 1.15 になって、TCPソケット経由でのコマンド解釈がすこし厳密になって動かなくなったので直しました。
あと、スクリーンショットをとるコマンドは最後にリモートモードを解除するコードを入れていたのですが、動かなくなりました。リモートからコマンドを実行すると必ずリモートモードになってしまって若干鬱陶しいのでなんとかしたいのですが、こちらの原因はよくわかってません。
どうやらスリープを挟まないとダメな模様
また、デフォルトで mDNS での DNS-SD の機能が無効になってみたいです。HTTP 経由でアクセスして設定しないと DNS-SD のクエリに応答しません。
備考
アップグレード後は 00.01.15 です。
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