2015年 10月 08日

もう僕らは OpenGL ライブラリにリンクするビルドに悩むことはない

WebGL があるからね。ブラウザが業を背負ってくれるのだよ。

https://github.com/cho45/go-KX3-panadapter

KX3 (無線機) 用の panadapter (広域スペクトラムスコープ) の実装を WebGL でレンダリングするように変えた。

経緯

これまで go-gl を使って頑張っていたが、いつのまにか go-gl の構成が変更され、ビルドができなくなってしまった。

go には依存パッケージのバージョン指定を行う方法がないので (ないよね?) 最新に追従する以外の選択がないのだが、いきなりビルドが通らなくなるみたいな事態がおこるともうやる気がしない。

継続的にメンテするほどの変更は入れてないが「ときどき実用しているアプリケーション」が割とどうでもいい理由で壊れるととにかくやる気が失せる。なので、できるだけ壊れなそうなものに依存するようにしたい。

その点ウェブ技術に依存しておけば、あまりひどい非互換は入らないことが期待できるし、最悪壊れてもググれば非互換情報が見つかりやすく、対処しやすい。そしてそもそも JS で書くのでビルドできないような事態にはならない。

構成の変更

前のバージョンでは go-gl を使い、go で書いたプロセスで直接ウィンドウを作ってレンダリングしていたが、構成の変更により、go で書く部分は portaudio を使って任意のサンプリング周波数で信号のFFTを行い、WebSocket からストリームで投げ続けるというシンプルな動作を行うようになった。(44.1kHz 固定なら WebAudio + WebWorker でできそうだが、すくなくとも 96kHz サンプリングはしたいので WebAudio はつかってない)

ブラウザ側のJavaScriptでgoプロセスへ WebSocket の接続を行い、データを受信し次第 WebGL を使ってレンダリングを行う。

これにより go の部分の cgo 依存は portaudio のみになった。portaudio は非常に薄いラッパーなので将来非互換が入るような余地がほぼないと思われる。安心

備考

別に go に限ったはなしではなく、ビルドができるできないとか依存がどうとか、とにかくダルイ。やらなくてすむことはやらないようにしよう。

2015年 10月 06日

拡張子のないファイルに一括で拡張子を付与する

rename コマンドで可能だぞ。rename コマンドは Perl の式でファイル名を置換可能だ!

「拡張子のないファイル」にマッチするシェルのglob表現は簡単ではないし、シェルスクリプトの for 文の文法はだいたいいつも忘れている。rename コマンドは Perl の正規表現という大変慣れたものを使え、sed や awk などと比べても安心感がある。

rename -v -n 's/^([^.]+)$/$1.txt/' *

置換が行われなかった場合リネームは行われない。-n はドライランなので実際に実行するときは外す。-v は verbose オプションで、つけておいたほうがいい。

この正規表現では . を含まないファイル名にマッチさせ、.txt をファイル名にあとに追加している。

備考

Ubuntu の wiki によると

UNIXにこのコマンドがないこともあって余り知られていませんが、どのLinuxにも含まれています。

https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/FileHandling/RenameCommand

らしいが、本当のところどうなのかよくわからないぞ! すくなくとも Ubuntu では使用可能だ! なお OS X には含まれていない。

OS X では brew install rename で入るが、これは Ubuntu のパッケージのものとはまた別のバージョンである。ただし高機能版であり、-v -n オプションは互換性がある (-n の longname は Ubuntu 版では no-act だが、homebrew で入るものは --dry-run または --just-print となっている)。

copyright

ライセンスはどちらも This script is free software; you can redistribute it and/or modify it under the same terms as Perl itself. となっており Perl と同一 (Artistic License) のようだ。原版と同じ名称を使ってはいけないライセンスだった気がするが……

Ubuntu 版

# This script was developed by Robin Barker (Robin.Barker@npl.co.uk),
# from Larry Wall's original script eg/rename from the perl source.

homebrew 版

AUTHORS
Aristotle Pagaltzis

Idea, inspiration and original code from Larry Wall and Robin Barker.

となっており、Larry Wall (Original?) → Robin Barker (Ubuntu版) → Aristotle Pagaltzis (homebrew版) という感じで進化している雰囲気がある

2015年 10月 05日

2D 描画でも WebGL を使うべきか? スペクトラムウォーターフォール最速決定戦

上のように、スペクトラムのウォーターフォール表示ではよく下に1行追記して全体を上にスクロールさせていくみたいな見せかたをするが、全体の再描画が必須なため、かなり描画負荷が高い処理となる。

いくつか実装を書いてどのぐらい差がでるかを検証してみた。

毎回 canvas の内容を全部描く

http://cho45.stfuawsc.com/spectrum-performance/canvas-redraw-whole/

		ctx.putImageData(
			ctx.getImageData(0, 1, canvas.width, canvas.height - 1),
			0, 0
		);

上のようなコードで canvas 全体を 1px ずらして、最後の一行に新しいデータによる putImageData() をさらに行う。

ピクセルデータを直接シフトさせるやりかただと、一番ナイーブで実装が簡単だが実際のところかなり遅い。

35ms/render ぐらい。

2枚の canvas とっかえひっかえ追記で塗りつつ、DOM 的にエレメントを移動する

http://cho45.stfuawsc.com/spectrum-performance/canvas-double-dom/

canvas の 描画自体は1px * width だけを常に上書きする形で行い、全体のスクロールは DOM でずらす (ブラウザに再描画をやらせる)

わかりにくいので動画にするとこんな感じで、2枚の canvas 要素を margin で使って動かして、親要素で表示領域を制限 (overflow: hidden) してる。

4ms/render

WebGL でテクスチャ2枚をとっかえひっかえし、シェーダーでスクロールする

http://cho45.stfuawsc.com/spectrum-performance/webgl-double-textures/

2枚 canvas とやっていることはほぼ同じだが、canvas の代わりに WebGL のテクスチャを2枚定義し、DOM の代わりにシェーダーを使う。

0.6ms/render

毎回 canvas の内容を全部描く (drawImage)


と言われて、drawImage! そういえばそんなのも! という感じだったので試したらこれは十分高速だった。

0.6ms/render で WebGL でやるのと変わらないぐらい。

肌感覚

canvas へ広範囲に putImageData の繰替えしをするより DOM で移動させたほうが圧倒的に早いのがおもしろかった。

WebGL は面倒くさい分たしかに高速で、2D でも可能な限り使ったほうがよさそうだけど、直接文字のレンダリングができないとか (canvas に書いてからテクスチャとして転送する必要がある)、API 的に面倒とか、GLSL というシェーダー言語を覚える必要があるとか、難点もある。

とはいえ、面倒なぶん自力でチューニング可能なポイントが多いのでおもしろい。

備考

もっと早くなる方法がありそうなら是非お知らせください。

https://github.com/cho45/spectrum-performance

CNC フライス制御用インターフェイス GrblServer の紹介動画

だいたい作ってやる気がなくなってきたので動画にいちおうまとめた。

2015年 10月 04日

CSS Animation Sine Wave

http://cho45.stfuawsc.com/misc/css3-sine-wave.html

CSS 自体では自由な曲線は描くことができないが、CSS animation では、animation-timing-function で cubic-bezier() を使い定義したベジェ曲線に従ってプロパティーの変化量を決めることができる。

なので、複数の animation する要素を組合せることで、全体としてサイン波を描くことができる。

ポイントは animation-timing-function はキーフレーム間 (1回のアニメーション全体ではない) に適用される点で、勘違いしているとひたすらハマる。


上記の例ではアニメーションさせたままだが、animation-delay に負の値を指定して animation-play-state: paused; を指定すれば止めた状態にもできる。

http://cho45.stfuawsc.com/misc/css3-sine-wave2.html

DOM の KeyBoardEvent の e.keyCode とか e.which とかを文字列としてとりたいやつ

昔 keyString.js という KeyBoardEvent からなんとなく押されたキーの文字列表記になおすやつを書いたことがある。

しかしこれは実装が不完全で一部のキーがちゃんと判定されなかったりした。が、マルチプラットフォーム・マルチブラウザで検証するような気力はないし、そんなことしても無駄になるのは目に見えているのでやる気はおきない。

KeyBoardEvent.key

KeyBoardEvent に key というプロパティが DOM Level 3 Events ではできることになっていて、これは Enter キーの場合 "Enter" という文字列が入り、物理的なキー位置(ということになっている謎の数値)ではなく、論理的なキーを表現するということになっている。が、全てのブラウザで同じように実装されているとはいえない。

ということで KeyBoardEvent.key には polyfill をつかおう。

https://github.com/inexorabletash/polyfill/blob/master/keyboard.js

を読みこむだけでいい。完璧ではないがおそらく現時点で一番まともだと思う。このファイルにはライセンスが書いてないが polyfill 全体で Public Domain となっており適当に扱っても問題ない。

KeyBoardEvent.key を直接判定に利用するには問題がある

KeyBoardEvent.key は modifierKey (シフトキーとか) の状態は当然含んでいないので、単に

if (e.key === 'Enter') {
}

で判定してしまうと、Shift+Enter や Alt+Enter なども同じもの扱いになってしまう。かといって

if (e.shiftKey && e.key === 'Enter') {
} else
if (e.altKey && e.key === 'Enter') {
} else
if (!e.shiftKey && !e.altKey && e.key === 'Enter') {
}

とか全部書くのは見通しが悪い。

ということでしかたなしに

var key = (e.altKey?"Alt-":"")+(e.ctrlKey?"Control-":"")+(e.metaKey?"Meta-":"")+(e.shiftKey?"Shift-":"")+e.key;   

みたいなのを1行書いて modifier key のプリフィックスをつけておくとやはり楽になる

if (key === 'Shift-Enter') {
} else
if (key === 'Alt-Enter') {
} else
if (key === 'Enter') {
}
2015年 09月 24日

HTTPS 開発環境

そろそろ HTTPS でしか使えない新機能なんかを使いたくなるので、すこしずつノウハウを溜めようという気持ちはあります。

localhost 自己証明書

ググって出てくるコマンドだと対話的インターフェイスでどうでもいい情報を入力する必要があってダルいので一発で自己証明書つくれるようにします。

#!/bin/sh

cd dev

CN=localhost

openssl genrsa -out server.key 2048
openssl req -new -key server.key -out server.csr -subj "/C=JP/ST=Kyoto/L=Kyoto/O=Example/CN=$CN"
openssl x509 -req -days 1024 -in server.csr -signkey server.key -out server.crt
rm server.csr

server.key と server.crt を使って HTTPS サーバを立てます。

(備考) node で HTTP2 サーバを立てる

HTTP2 は一応暗号化はオプションということになってるようだが (H2C/HTTP2 Over TCP)、実際の実装では TLS に乗っているものしかないので必然的に HTTPS でしか使えない。

node の http.Server / https.Server を使っている場合、Server のインスタンス化コードを替えるだけで HTTP2 にできる (インターフェイスが一緒)

コンストラクタに server.key と server.crt を指定するだけ。

ホスト名解決

localhost だけでの開発ならいいが、LAN 内のスマートフォンなどから HTTPS な開発環境にアクセスしようと思うと、IP アドレス指定してもアクセスできない。Chrome の場合、ERR_CONNECTION_CLOSED (This webpage is not available) になる。

どうやらホスト名でアクセスしないとブラウザ側で強制的に接続を切るようで、どうしようもない。

ということで、一旦 LAN 内に DNS サーバを立てて該当コンピュータを名前でひけるようにする必要がある。(mDNS でいけないかと思ったけどダメだった)

node で DNS サーバを書ける実装もある (node-dns (native-dns)) のでこれを使えばとりあえず簡単に書ける。

/etc/hosts 形式を読んで A レコード返すだけのは雑に書いた。


立てた HTTPS サーバと同じマシン上で良いので、port 53 で起動する。sudo が必要。

端末側でもこの DNS サーバを参照する必要がある。

Android では Settings → Wi-Fi → (接続中のネットワーク名を長押し) → Modify network とすすんで、Show advanced options にチェックを入れ、IP settings を Static に変え、DNS 1 にマシンのIP Addressを指定すれば反映される。

またはルータの設定を書き変えて DHCP 経由で通知する DNS サーバを変えてもいいけど、これはこれで面倒。

webcomponentsjs/Polymer、HTML Imports が終わるまでの間ローディングを出したい。

link rel="import" によるロードはやはりちょっと時間がかかる。Polymer の場合どうしてもインポート数が増えるのでなんとかしたい。

もちろん vulcanize すれば import 自体は解決するが、created/attached まわりの処理もチリも積もればという感じで、なかなか時間がかかるので、根本的解決にならない。

特に appmanifest によってスタンドアロンアプリ表示させている場合、ロードまでの間完全に真っ白の画面になり、プログレスバーも出ないのでかなり残念なことになる。

ということで、一旦ローディング画面を挟みたい。

問題点:first paint がなかなか発生しない

HTML Imports はポリフィルされていない場合ブロックする (Chrome にしかネイティブ実装されてないから Chrome だけ)。インポート先がインポートしている場合再帰的にインポートするので、依存全部インポートが終わるまで表示が完全にブロックし、head内でインポートしていると画面描画が全く走らない。

Chrome の場合 first paint が走るまで現在表示中の内容を消さないので、リロードした場合特に「全く操作はできないのに表示はされている」状態になって気持ちが悪い。

なので、まずはインポートなしの状態ないし、最低限必要なものだけをインポートしてから、ロード画面を表示する。

ローディングプログレスがとれない

link要素のloadイベントでひとつのインポートの完了はわかるが、再帰的な全てのリクエストのプログレスをとることができない。

どうしようもない?ぽいので、intermidate なローディングプログレス表示するしかない。

CSS でアニメーションさせるのが現状では一番マシっぽい。

コード

		<div class='loading'></div>
		<my-app></my-app>
		<script>
			requestAnimationFrame(function () {
				var link = document.createElement('link');
				link.rel = "import";
				link.href = "src/app.html"; // my-app の定義
				link.addEventListener('load', function () {
					var loading = document.querySelector('.loading');
					loading.parentNode.removeChild(loading);
				});
				document.body.appendChild(link);
			});
		</script>

link rel="import" は作って挿入してもちゃんと動いてくれるのでこれで良い。polyfill もちゃんと動いててうまく動く。

load イベントは再帰的なロードが全部終わってから発火するようになっている。

将来性

HTTP2 化してもカスタムエレメントの初期化処理はなくならないので、大量のカスタムエレメントを使う場合なんらかのローディング表示が必要ではないかという気がする。

appmanifest によるスタンドアロンアプリ化ではコンテナ(ブラウザ)側でそのうちちゃんとローディング出せるようになりそう。

2015年 09月 21日

Manifest for a web application

ウェブアプリをスタンドアロンアプリのように表示するため (ようはロケーションバーを消したいという) 試してみた。




「ホーム画面に追加」というメニューに manifest が反映される形になる (わかりにくい)

"display": "standalone" の場合、こうなる。

2015年 09月 19日

紙とペン

ちょっと考えごとするとき Google Keep にとにかくタイピングしていく、みたいなことが多々あるが、図を入れようとすると途端に困難になるので、ペンと紙という便利な道具を使うことにしてみた。

できればデジタルガジェットで解決したかったがコストの割に性能で満足いくか微妙に感じた結果、良いペンと紙を使うほうが気持ちいいのではないかと考えた。

マルマン ノート ニーモシネ A5 方眼罫 N182A - マルマン(maruman)

マルマン(maruman)

5.0 / 5.0

別段こだわりがないし思考過程を保存しようとも思わないので、紙とかコピー用紙でいいかと思ったが、思いのほかスムーズに書けずイライラしたので、調べた結果ニーモシネが良いだろうという感じだった。装丁がかっこいいのと、方眼の薄さがちょうどよくて気にならない。

ペンは手持ちにあった LAMY の Safari (なんかのときにもらった) の細字(F)と、kakuno の中字(M)、細字(F) で良さそうなのでこれのまま。(Safari も kakuno も学習用の安い万年筆。LAMY のFはkakunoのMと同じかそれより太い線)

LAMY ラミー 万年筆 F 細字 サファリ ブラック L17-F 正規輸入品 - LAMY

LAMY

5.0 / 5.0

パイロット 万年筆カクノ M ソフトブルー FKA1SRSLM - パイロット(Pilot)

パイロット(Pilot)

5.0 / 5.0

この組み合わせはかなり気持ち良く書ける。ペンは安くても紙はちゃんとしたのを使ったほうが良いということを学んだ。

現状

紙 vs コンピュータという点では、結局筆記で書いていくのは自分の場合長くは続かない気がしている。

今のところ8ページぐらい消費したけど、今やっていることに対してはそこそこ良い感じがする。ある程度以上に複雑になると図がないと厳しいけど、コンピュータ上で図を書くのは、書けないことはないけど今のところペンで書くよりも早く書けない。

一方で書いた図を編集させるのが難しいので図の試行錯誤はしにくいのと、字を書く分にはコンピュータ上に書いたほうが早いので、思考過程を最終的にデジタル化したいなら最初っから Inkscape 極めたほうが有益そうではある。